■ミスディレクション■

これに触れるのは非常に恐れ多いとは思うのですが、おいらの思うミスディレクションと、どのようにそれを理解しているかの解説をしてみたいと思います。ですから、参考にしていただくのはいいかもしれませんが「これがミスディレクションだ!」なんていうものではない事をご承知おきください。

クロースアップマジックを語る上で、マジックのタネと同等、もしくはそれ以上の力があり魅力があるものがミスディレクションだと思います。これが使えるようになるとホントに奇跡のような現象がすぐ目の前で起こせるようになります。でも、なんだかよく分からない。難しい。そういうイメージがあるし、実際に難しいと思いますね、コレ。

ミスディレクションを邦訳すると「注意をよそへ向けること」というような解説がされていたりします。一番簡単に言うと、マジックの最中に「あっ!UFOだ!」と指差して、皆がそちらを向いたスキに秘密の動作をする…これもミスディレクションと言えるでしょう。んが、実際にそんな事をする人はいません、たぶん。マジックの世界ではもっとスマートな方法で使われています。


おいらが一番最初にミスディレクションを理解できたと思ったのはチョップカップというマジックでした。クライマックスの部分でこれが必要となってくるのですが、最初に説明書を読んだ時には「…?ホントにこんな事ができるのか?」と、全く信じられませんでした。ところが、ある解説を聞いた時に天から光が降り注ぎました。

「私はテーブル上にあるボールを右手で取り上げたいがために、しかたなく右手に持っているカップを左手へ渡す」

ああーーーーー。これか、と。これなのか、と。ここでの私の目的は「右手でボールを取り上げたい」事なのです。私が本当にしたい事はカップを左手に渡す事なのかもしれないけど、そうじゃない。そうじゃなくて、渡すべき理由を作る。理由がある。この事を理解した上で行った演技とその前とではまったく別のものとなりました。

つまり、なにかしたいことがあれば、そのための理由を作ればいいのか。手に隠し持ちたければ、何か別な物を持っていれば良い。ポケットから物を出したければテーブルに出ているものをしまえば良い。ポケットに隠したければ、何か別のものをポケットから取り出してくればよい。右手を左方向へ持っていきたければ、左手で右の肩やヒジをさわればよい。左手を後ろポケットへ持っていきたければ、右手で左足の裏を指し示せばよい。

これでミスディレクションの全てが語れるわけではないんですが、このような理解の仕方ができたときにすごくすっきりと理解できました。自分のしたい事を、なにか別の目的を意識的に作り、それで隠してしまう事がミスディレクションなのかな、と。(くどいようですがこれが全てではナイ)

「木を隠すなら林の中へ」。これがおいらの理解しているミスディレクションです。

*一応、気をつけて書いたつもりですが、有識者の方で上記の文に問題がありそうに思われる方はご指摘・ご指導ください。訂正・改訂したいと思います。


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